語彙ログ。

言葉の意味や語源の覚え書き

副詞(程度)用語集

【飽く迄(あくまで)】
際限がないさま。どこまでも。
ある一定の範囲内に限定するさま。

【挙げて(あげて)】
関係するすべてのものが一つになるさま。こぞって。のこらず。
いちいち。ひとつひとつ。

【浅浅(あさあさ)】
浅いさま。うっすらとしたさま。
軽く考えるさま。

【鮮鮮(あざあざ)】
あざやかなさま。はっきりとしたさま。

【可惜(あたら)】
残念なことに、価値のあるものを失うことが惜しまれるさま。惜しいことに。もったいなくも。あったら。

【遍く(あまねく)】
すべてに広く行き渡るさま。すみずみまで。漏れなく。

【奇に(あやに)】
言いようがないほど。不思議なまでに。むしょうに。

【粗粗(あらあら)】
詳しくはないが、一通り。ざっと。だいたい。
まばらなさま。きめがあらいさま。

【洗い浚い(あらいざらい)】
どんな物事も隠したり残したりしないさま。なにもかもすべて。残らず。

【粗方(あらかた)】
ほぼ全部に近いさま。大体。おおかた。名詞的にも用いる。

【有りっ限(ありっきり)】
「ありきり」に同じ。

【あわに】
多く。たくさん。一説に、深くの意とも。

【幾度か(いくどか)】
そう多くない回数。何度か。何回か。

【幾度も(いくども)】
多くの回数。何度も。何回も。

【厳う(いこう)】
たいそう。ひどく。

【些か(いささか)】
数量・程度が少ないさま。少し。幾らか。自己の事柄については謙遜を、他者の事柄については婉曲を表し、「かなり」の意で用いられることがある。
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。全然。現代語では「いささかも」の形をとる。

【甚(いた)】
はなはだしく。ひどく。

【甚く・痛く(いたく)】
はなはだしく。非常に。感心したり心配したりする心情について用いる。

【至って(いたって)】
きわめて。はなはだ。「非常に」の改まった言い方。

【至りて(いたりて)】
きわめて。非常に。大層。いたって。

【一応・一往(いちおう)】
〔本来は「一往」〕 十分といえないが,最低限の条件は満たしているさま。とりあえず。ひとまず。ひと通り。

【一切(いっさい)】
(下に打ち消しの語を伴って)打ち消しを強調する気持ちを表す。全然。全く。例外なく。

【一層(いっそ)】
それまでの状況を打開するために,ある方法をとることを決断する気持ちを表す。思い切って。いっそのこと。
ほんとうに。まったく。

【一層(いっそう)】
以前より程度がはなはだしくなるさま。さらに。ますます。
思い切って。いっそ。

【一体全体(いったいぜんたい)】
「一体」を強めた言い方。強い疑問や詰問の時多く使う。

【一体に(いったいに)】
全体にならしてみると。全般的に。総じて。

【一(いっち)】
いちばん。最も。

【一に(いつに)】
多くのことが一つのことに集中しているさま。全く。ひとえに。
また別に。ひとつには。

【いと】
程度のはなはだしいさま。非常に。大変。
(下に打ち消しの語を伴う)たいして。あまり。
事態が並々でないさま。本当に。

【いとしも】
非常に。はなはだしく。
(下に打ち消しを伴って)それほどは。大して。

【いとど】
いよいよ。一層。ますます。
ただでさえ…なのにさらに。そうでなくてさえ。

【いとも】
大変。非常に。

【うじかわ】
ためらうさま。うじうじ。もじもじ。

【薄薄(うすうす)】
事情などが、はっきりとではないが、なんとなくわかっているさま。かすかに。
(色・光などが)うっすらと。かすかに。

【うそうそ】
あたりを見回したりして落ち着かないさま。
どことなく、はっきりしないさま。
まぬけなさま。

【打ち絶え(うちたえ)】
まったく。ひたすら。

【打ち渡し(うちわたし)】
ずっと長くにわたって。
おしなべて。

【うんと】
力を入れるさま。
程度がはなはだしいさま。非常に。すごく。
量が多いさま。たくさん。

【偉く(えらく)】
たいそう。すごく。くだけた表現に用いる。

【おうおう】
(「に」を伴っても用いられる)そうなる場合が多いさま。よくあるさま。多く、好ましくない事態について用いる。

【往往にして(おうおうにして)】
「往往」に同じ。往往に。

【大いに(おおいに)】
程度がはなはだしいさま。非常に。はなはだ。

【凡(おおし)】
およそ。だいたい。

【おさおさ】
(下に打ち消しの語を伴って)どんな面からみても十分に。全く。ほとんど。
たしかに。きちんと。もっぱら。

【押し只管に(おしひたすらに)】
「ひたすらに」を強めていう語。

【思いの外(おもいのほか)】
予想と違うさま。思いがけず。意外に。

【皆色(かいしき)】
すべて。まったく。かいもく。

【がいに】
程度のはなはだしいさま。非常に。ひどく。

【かたきし】
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。まったく。

【かたっきし】
「かたきし」の促音添加。

【且つ且つ(かつがつ)】
不十分ながらどうにか成り立つさま。ともかくも。やっと。
不十分ながらとりあえず行うさま。急いで。
まだそうすべきでないのに行うさま。早くも。
時とともに充実の度を増すさま。おいおい。すこしずつ。
ある事態に加えて行われるさま。あわせて。一方で。また、ある事態に応じて行うさま。

【かっきり】
時間・数量などに端数のないさま。ちょうど。
境などがはっきりしているさま。はっきり。

【かつふつ】
(あとに打ち消しの語を伴って)全く。全然。

【可成り(かなり)】
〔連語「可なり」からできた語〕 普通に予想されるより数量・程度がはなはだしいさま。相当。

【斯許り(かばかり)】
こんなにも。これほど。
この程度。これくらい。これしき。

【がぶがぶ】
水や酒などを勢いよく飲むさま。

【斯程(かほど)】
これほど。これぐらい。

【からきし】
(下に続く打ち消しの表現を強調して)人の性質・能力に関して,否定的な評価を強調する気持ちを表す。まったく。全然。まるで。からきり。からっきり。からっきし。
=からきり
=からっきし
=からっきり

【辛くして(からくして)】
「かろうじて」に同じ。

【軽軽(かるがる)】
重い物を軽そうに扱うさま。
たやすそうに物事をするさま。やすやす。
心がはればれとして軽いさま。

【きつう】
たいへん。ひどく。
(あとに打ち消しの表現を伴って)絶対に。断じて。

【ぎゅう】
物を強く押しつけたり、しめつけたりするさま。また、ひどく苦しめるさま。

【仰に(ぎょうに)】
度の過ぎているさま。ひどく。

【きりきり】
ものが勢いよく回転するさま。
ひもなどを強く巻きつけるさま。
物のきしる音を表す語。
腹や頭などが鋭く痛むさま。
てきぱきと物事をするさま。さっさと。

【きりり】
ひきしまっているさま。
物が強く引っ張られて緊張するさま。きりきり。
物のきしむ音を表す語。

【極めて(きわめて)】
この上なく。非常に。

【きんきん】
声や音が高く鋭いさま。
ある物事が近い将来に実現するさま。ちかぢか。

【ぐいぐい】
力をこめて引いたり押したりするさま。
勢いよく物事をするさま。
勢いよくつづけざまに飲むさま。

【ぐたり】
(多く「と」を伴って)疲れたり弱ったりして力の抜けたさま。ぐったり。

【ぐっすり】
よく眠っているさま。
残らずするさま。すっかり。
物を突きさす音を表す語。ぐっさり。

【九分通り(くぶどおり)】
ほぼ間違いなく、そうであるさま。九割がた。おおかた。ほとんど。

【隈無く(くまなく)】
ある範囲の全体に及んでいて、あますところがないさま。隅から隅まで。
陰になる部分がなく、はっきりしているさま。

【ぐんぐん】
物事の進み方のはやいさま。また,力強いさま。どんどん。ぐいぐい。

【ぐんと】
強く力を入れるさま。ぐっと。
今まで例のないくらい、大いに。非常に。

【毫も(ごうも)】
(下に打ち消しの語を伴って)打ち消しを強調する気持ちを表す。わずかも。少しも。

【極極(ごくごく)】
「ごく」を強めた言い方。きわめて。

【ごそっと】
一度にたくさんの物が減少するさま。のこらず。ごっそり。

【こっちり】
濃厚なさま。こってり。

【細細(こまごま)】
いかにも細かいさま。細かくて煩雑なさま。
細かいところまで行き届き、くわしいさま。
繊細なさま。こまやかに。

【交(こもごも)】
代わる代わる。次々。
各々。それぞれ。

【こよなく】
他と比べものにならないほど程度がはなはだしいさま。この上なく。比類なく。よい意味に用いる。文語的な言い方。

【ざあっと】
雨が急に強く降り出すさま。
物事を一通りおおまかに行うさま。

【さざ】
(「と」を伴って)さわがしいさま。ざわざわ。

【ざっと】
おおまかに物事を行うさま。大ざっぱなさま。あらあら。
大まかに見つくろったさま。ほぼ。大体。
風や雨が急に勢いよく吹いたり降ったりするさま。
勢いよく動作するさま。

【ざっぷり】
多量の水を一度に浴びせるさま。ざんぶり。
物を勢いよく切るさま。ざっくり。

【然のみ(さのみ)】
それほど。たいして。
そのように。そう一概に。

【更更(さらさら)】
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。一向に。決して。
いまさらに。あらためて。ますます。いちだんと。

【更に(さらに)】
程度がより増したり段階がより高まったりするさま。いっそう。もっと。
これまでの行為に加えて繰り返し行うさま。その上に。
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。全然。
あらためて。こと新しく。
すっかり。全く。

【確と(しかと)】
はっきりしているさま。確かであるさま。
物事を完全に行うさま。しっかりと。かたく。
すき間のないさま。びっしりと。

【頻頻(しきしき)】
しきりに。しばしば。

【頻って(しきって)】
しきりに。切に。強く。

【頻に(しきに)】
あとからあとから。しきりに。

【頻りに(しきりに)】
同じ物事が間隔をおかずに何度も繰り返されるさま。
しばしば。たびたび。
ひっきりなしに。
その程度が並み並みでないさま。ひどく。
=頻りと(しきりと)

【悉皆(しっかい)】
一つ残らず全部。ことごとく。
(下に打ち消しの語を伴って)全然。まったく。
まるで。まったく。

【屡(しばしば)】
ある程度の期間をおいて,同じ行動や状態が何度も繰り返されるさま。何度も何度も。たびたび。しょっちゅう。

【しばしば】
しきりにまばたきをするさま。

【じゃんじゃん】
半鐘などの続けて鳴る音を表す語。
同じ物事を続けざまに勢いよく行うさま。どしどし。どんどん。

【重重(じゅうじゅう)】
かさねがさね。一通りでなく。
十分に。よくよく。

【主として(しゅとして)】
物事の中心となっているさま。おもに。

【徐徐に(じょじょに)】
ゆっくり進むさま。少しずつ変化するさま。だんだん。

【じわじわ】
物事が確実に少しずつ進んでゆくさま。じりじり。
水などが少しずつゆっくりとしみ込んでゆくさま。また、まわりへ広がってゆくさま。

【じわっと】
物事がゆっくりと確実にすすむさま。

【じわり】
物事がゆっくりと確実にすすむさま。じんわり。

【じわりじわり】
物事が一定の方向に引き続いて少しずつ進むさま。じわじわ。

【じんわり】
物事がゆっくり確実に進むさま。
水分などが徐々にしみ出るさま。

【随分(ずいぶん)】
普通の程度を超えているさま。非常に。大いに。はなはだ。
できるだけ。極力。
別れの挨拶(あいさつ)にいう言葉。くれぐれも。
分際に応じて。分相応に。
たしかに。かならず。
(下に打ち消しの語を伴って)容易には。なかなか。決して。

【ずうっと】
「ずっと」を強めた語。

【すきと】
すっかり。残らず。
(打ち消しの語を伴って)まるで。全然。

【優れて・勝れて(すぐれて)】
他のものではなく、まさに。
とりわけ。きわだって。

【凄く(すごく)】
程度がはなはだしいさま。大変に。大層。非常に。主に会話で用いられる。

【頗る(すこぶる)】
普通の程度をたいそう超えているさま。非常に。たいへん。
少し。わずか。ちょっと。

【ずだい】
生まれつき。元来。生来。
(多く打ち消しの表現を伴って)一向に。全く。全然。

【すっかり】
一つのこらず。全部。全く。
見栄えのするさま。すっきり。
思い切ってするさま。すっぱり。きっぱり。

【すったり】
すっかり。まるっきり。

【ずっと】
他と比べて違いが大きいさま。はるかに。
時間や距離が大きく隔たっているさま。
ある状態が長く続くさま。
とどこおることなく事が行われるさま。

【ずっぷり】
水や湯に全身ひたるさま。どっぷり。
雨で全身ぬれるさま。ずっぽり。
すっかり日の暮れるさま。とっぷり。

【素敵と(すてきと)】
程度のはなはだしいさま。非常に。むやみに。

【すまに】
休むことなく。

【ずんと】
程度のはなはだしいさま。大きな開きがあるさま。ずっと。
ためらわずに勢いよく事を行うさま。
(下に打ち消しの語を伴って)決して。少しも。とんと。

【ずんど】
思い切りよく事を行うさま。勢いよく行うさま。
程度のはなはだしいさま。非常に。
(下に打ち消しの語を伴って)決して。少しも。

【漸次(ぜんじ)】
時間の推移とともに変化するさま。だんだん。しだいに。

【全然(ぜんぜん)】
(打ち消し,または「だめ」のような否定的な語を下に伴って)一つ残らず。あらゆる点で。まるきり。全く。
あますところなく。ことごとく。全く。すべて。すっかり。
〔話し言葉での俗な言い方〕 非常に。とても。

【そきだく】
非常に。はなはだしく。

【ぞくぞく】
発熱のために寒けを感じるさま。
喜び・期待・恐怖などのために緊張・興奮して震えそうになるさま。

【ぞっくり】
全部。残らず。そっくり。

【そっとも】
ちっとも。少しも。打ち消しを伴って用いる。

【そっぽう滅法(そっぽうめっぽう)】
めったやたらに。めちゃくちゃに。

【大して(たいして)】
(下に打ち消しの語を伴って)問題にするほどの程度でもない気持ちを表す。特別。それほど。さほど。
程度がはなはだしいさま。

【大分(だいぶ)】
数量・程度が普通よりはなはだしいさま。たくさん。
物事や状態の程度が相当に進んでいるさま。かなり。だいぶん。

【高が(たかが)】
金額・数量・程度などが問題にするほどでもないと思って、重要に考えないさま。せいぜい。わずか。たかだか。とるに足りないという意で用いる。

【だくだく】
汗や血などが、盛んに流れ出て止まらないさまを表す語。
胸などがどきどきするさまを表す語。
馬の駆ける足音などを表す語。

【たしだしに】
十分に。確実に。

【たしに】
確かに。しっかりと。十分に。

【只只(ただただ)】
(多く下に「だけ」「ばかり」を伴って)「ただ」を強めていう語。ひたすら。

【偶(たまたま)】
何らかの目的・意図もなくそうなるさま。
思いがけなく、そのような事態・状況に出くわすさま。ちょうどその時。
うまい具合にそういう事態・状況になるさま。運よく。
そのような機会がまれにしかないさま。時おり。

【たよたよ】
弱々しいさま。
なよなよ。

【鱈腹(たらふく)】
腹いっぱい食べるさま。

【断じて(だんじて)】
(下に打ち消しの語を伴って)強い確信や意志をもって否定する気持ちを表す。けっして。
どんな困難にも負けないという強い決意をもって言い切る気持ちを表す。断固として。

【断然(だんぜん)】
自分の意思・態度を明らかにするさま。
(後に打ち消しの語を伴って)強い確信や意思をもって否定する気持ちを表す。
程度の差が明らかであるさま。なみはずれて。

【逐一(ちくいち)】
抜かしたりせず、一つ一つ順に、すべての事柄を取り上げるさま。一つ一つ全部。また、細かく詳しいさま。

【ちくと】
針などで刺すさま。また、そのような痛みを感じるさま。ちくっと。ちくりと。
すこしばかり。ちょっと。
=ちくっと

【ちっこ】
小さいさま。わずかなさま。
小さくきびきびしているさま。

【些と(ちと)】
少し。いささか。
少しの間。ちょっと。

【ちゃちゃと】
速やかに。手早く。さっさと。

【ちゃっと】
すばやく。敏捷に。
すこし。ちょっと。
=ちゃと

【ちょいちょい】
少し間を置いて同じことが繰り返されるさま。たびたび。ちょくちょく。
物事の程度や動きなどがわずかであるさま。ちょいと。

【丁と(ちょうと)】
硬い物のぶつかり合って発する音を表す語。はたと。はっしと。
鋭く緊張したさま。はったと。きりりと。

【ちょくちょく】
わずかの間をおいて回数をかさねるさま。おりおり。たびたび。ちょいちょい。

【ちょっきり】
ある数量・時刻などとちょうど合うさま。ぴったり。きっかり。
はさみで小気味よく、一息に切るさま。ちょきり。
ほんのちょっと。ほんのすこし。

【ちょっくらちょいと】
「ちょっくら」を強めていう語。ちょっくらちょっと。

【一寸も(ちょっとも)】
(下に打ち消しの語を伴って)ちっとも。

【ちょびくさ】
口数多くしゃべるさま。ぺちゃくちゃ。

【ちょびちょび】
一度にしてしまわないで、少しずつ何度にも分けてするさま。ちびちび。

【ちょろっと】
「ちょろり」に同じ。

【ちょろり】
小さな物が素早く動くさま。行動が素早いさま。
簡単に、またはあっけなく事が行われるさま。
水などがごくわずかに流れるさま。

【ちょんと】
拍子木などを打つ音を表す語。
はさみ・包丁などで軽く一瞬に切り落とすさま。
程度の軽いさま。ちょいと。
小さなものがこぢんまりとすわったりのっているさま。ちょこん。

【ちらりほらり】
「ちらほら」に同じ。

【ちろちろ】
小さな炎がゆらめくさま。
わずかな量の水が流れるさま。ちょろちょろ。
細かく動くさま。

【次次(つぎつぎ)】
(多く「に」や「と」を伴って)あまり間を置かず、異なる物事が続くさま。次から次に。順々に。

【つどつど】
いちいちくわしく。

【備に・具に(つぶさに)】
細かで詳しいさま。詳細に。
ことごとく。もれなく。

【つぶと】
物の水に沈む音を表す語。ざぶんと。
正確に。ぴたりと。
全体に。すっぽりと。全く。
(打ち消しの語を伴って)少しも。全く。

【露許り(つゆばかり)】
少しばかり。少しも。いささか。いささかも。

【露程も(つゆほども)】
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。ちっとも。

【露も(つゆも)】
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。全然。

【強強(つよつよ)】
非常に強いさま。きわめて丈夫なさま。

【つらり】
あまねく全部。ずらりと。

【でっちり】
量が多いさま。また、いかにも重そうなさま。

【徹頭徹尾(てっとうてつび)】
最初から最後まで言動や態度などが、一貫するさま。完全に。

【てんと】
(下に打ち消しの語を伴って)ちっとも。一向に。まるきり。
本当に。まったく。

【てんに】
まるで。まったく。

【到底(とうてい)】
(下に打ち消しの語を伴って)打ち消しを強調する気持ちを表す。どんなにしても。どうしても。しょせん。
つまるところ。結局。ついに。

【どしどし】
物事が次から次へと続くさま。
遠慮のないさま。
足音高く歩くさま。

【どっかり】
重い物を置くさま。
重々しくすわるさま。
物事が急に変わるさま。急に増したり減ったりするさま。

【とっくり】
(「と」を伴っても用いる)よくよく。十分に。念を入れて。とくと。

【とっけり】
十分に。よくよく。特に、熟睡するさまにいう。

【とっても】
「とても」を強めていう語。

【とっと】
物事の程度がはなはだしいさま。本当に。一段と。
距離的または時間的にはなはだしく離れているさま。ずっと。はるか。
もう。すでに。

【とっぷり】
日がすっかり暮れるさま。
十分におおわれたり、十分につかったりするさま。どっぷり。

【どっぷり】
墨汁や水などを十分含ませるさま。
風呂などにすっかりつかるさま。
比喩的に、ある環境にすっかりはまって安住しているさま。

【迚も(とても)】
(下に打ち消しや否定的表現を伴って)否定的な意味を強調する気持ちを表す。どのようにしても。何としても。
非常に。たいへん。
どうせ。同じく。

【倶に(ともに)】
一緒に。また、同時に。
どちらも。

【どん】
太鼓の鳴る音、大砲や銃の発射音、波の打ち寄せる音などを表す語。
物が強く当たったり、物をたたいたり、重いものが落ちたりするさまや音を表す語。

【とんと】
まったく。すっかり。きれいさっぱり。
(打ち消しの語を伴って)一向に。少しも。

【どんと】
思い切り。力いっぱい。
十分に。どっさり。

【どんど】
水が音を立てて流れ落ちるさま。
大声を出して呼ぶさま。
勢いの盛んなさま。どんどん。

【どんどん】
物事の調子よくはかどるさま。また、ためらわずに事をすすめるさま。
物事や動きの切れ目がなく、次から次と続くさま。
太鼓を鳴らす音、銃砲を発射する音を表す語。強く足踏みをしたり物をたたいたりする音、水が強くぶつかる音などにもいう。

【中中(なかなか)】
物事の状態・程度が予期した以上であるさま。
思っていた以上に。かなり。ずいぶん。
(打ち消しの語を伴って)思ったとおりには。容易には。
中途半端に。なまじ。かえって。
(中途半端にするよりは)いっそのこと。

【中中に(なかなかに)】
中途半端に。
なまじっか。
むしろ。いっそのこと。

【なっく】
予想外に簡単に。意外に早く。

【何彼と(なにかと)】
一つ一つ取り立てるのではなく、全体をひっくるめて指し示す意を表す。いろいろと。あれやこれやと。

【何卒(なにとぞ)】
相手に対して強く願い望む気持ちを表す。どうか。なんとか。「どうぞ」の改まった言い方。
どうにかして。なんとかして。

【何分(なにぶん)】
相手に対して強く願い望む気持ちを表す。どうか。なにとぞ。
(下に理由を示す語句を伴って)理由を強調して、その事態に対する格別の理解を相手に求める気持ちを表す。なんといっても。

【並めて(なめて)】
「なべて」に同じ。

【何と(なんと)】
どのように対応したらよいのかわからない気持ちを表す。どのように。どう。
強い驚きや感動の気持ちを表す。たいそうまあ。なんという。なんて。
相手の意向や反応を確かめる気持ちを表す。
反語の意を表す。どうして…か。

【何と無く(なんとなく)】
はっきりした理由や目的もないさま。わけもなく。どことなく。
取り立てて言う事柄がないさま。何ということもなく。平凡に。
=何と無し(なんとなし)

【難無く(なんなく)】
何も難儀することなく。簡単に。

【何なり(なんなり)】
(前に「なり」を伴って)どれでも許容する意を表す。どのようにも。どんなものでも。

【何なりと(なんなりと)】
相手の意向にまかせる気持ちを表す。何であろうと。何でも。

【にょっきり】
それだけが抜きんでて高いさま。とび出るさま。にょっこり。

【根切り葉切り(ねきりはきり)】
あるだけすべて。ねこそぎ。

【根っ切り葉っ切り(ねっきりはっきり)】
「ねきりはきり」に同じ。

【のべつ】
絶え間なく続くさま。休むひまなく。しょっちゅう。

【馬鹿に(ばかに)】
普通でなく程度が並外れているさま。異様に。いやに。「ひどく」の俗語的表現。

【始めて(はじめて)】
その状態・事柄をそれまで経験していないさま。最初。
(「…てはじめて」の形で)さまざまな経過を経てようやくその状態になるさま。やっと。

【はだ】
たいそう。非常に。

【はったり】
まったく。すっかり。
しっかりと。確かに。
十分なさま。適当なさま。

【はつはつ】
わずか。かすか。
かろうじて。やっと。

【甚だ(はなはだ)】
程度が普通の状態をこえているさま。非常に。「大変」のやや堅い言い方。
全く。全然。

【びしっと】
物が割れたり折れたりする音を表す語。
厳しいさま。ぴしゃりと。
きちんと整っているさま。ぴしっと。

【緊と(ひしと)】
離れないように,すきまなく密着しているさま。しっかりと。
外部からの働きかけが身や心に強く迫ったり感じたりするさま。
床などが押されて鳴るさま。ぎしぎしと。みしみしと。
ぴったりと密着するさま。
物や人がすきまなく並ぶさま。
すべてにわたるさま。完全に。
勢いよく打つさま。びしっと。

【只管(ひたすら)】
ただその事だけに心が向かうさま。いちず。ひたぶる。
すっかり。全く。

【びっしり】
物がたくさん詰まって、すき間なく並んでいるさま。ぎっしり。
十分に物事を行うさま。

【一嵩(ひとかさ)】
ひときわ。

【酷く(ひどく)】
物事の善し悪しにかかわらず、程度のはなはだしいさま。とても。非常に。

【ひりり】
(「と」を伴っても用いる)辛みなどを感じるさま。ひりっと。

【深深(ふかぶか)】
(多く「と」を伴って)深くゆったりとしたさま。非常に深いさま。

【悉に(ふつくに)】
すっかり。ことごとく。ふつに。

【ほうど】
程度がはなはだしいさま。特に、困りきったさま。ほとほと。

【ほしほし】
すこしずつ、またゆっくりするさま。
しみじみと。

【細細(ほそぼそ)】
非常に細いさま。ほっそりしていて頼りないさま。
かろうじて続いているさま。
非常に貧しくやっとのことで暮らすさま。

【ぼちぼち】
ゆっくりと事態にとりかかるさま。そろそろ。ぼつぼつ。ぽちぽち。
点状のものが散らかっているさま。
水などが続けざまに垂れ落ちるさま。

【ぽっちり】
ごく小さな物が一つ存在するさま。ほんのわずかであるさま。
目を大きく見開くさま。

【ほっとり】
きっぱり。すっかり。さっぱり。

【ほつほつ】
物事が少しずつ、また徐々に行われるさま。ぼつぼつ。
苦しそうに、または忙しそうに息を吐くさま。

【ぽつりぽつり】
「ぽつぽつ」に同じ。「ぽつぽつ」よりゆるやかな感じを表す語。

【ほとほと】
たいへん。まったくもう。多く、嫌な思いをしたり,困りはてたりした時にいう。
ほとんど。だいたい。
もう少しのところで。すんでのことに。

【益(ますます)】
以前より程度がはなはだしくなるさま。なおいっそう。

【まだまだ】
「まだ」を重ねて強めた語。

【全う(まっとう)】
「まったく」の転。

【全く(まったく)】
否定表現と呼応して、それを強調する気持ちを表す。全然。まるっきり。
すべてにわたってそうであるさま。完全に。
肯定表現と呼応して、それを強調する気持ちを表す。自分の言うことにうそや誇張のない意を表す。本当に。実に。
相手の言うことに同感である意を表す。本当に。実に。

【丸切り(まるきり)】
(多く、下に打ち消しまたはそれに準ずる語を伴って)すべてにわたってそのような状態であるさま。全く。ぜんぜん。まるで。まるっきり。

【丸ごと(まるごと)】
切り分けたり一部を除いたりせず、もとの形のまま全部であるさま。そっくり全部。まるのまま。

【丸で(まるで)】
下に否定的な意味の語を伴って否定の意を強める。まるきり。全然。
どのような点から見てもほとんど同じであるさま。ちょうど。さながら。

【丸っ切り(まるっきり)】
「まるきり」を強調した言い方。まったく。全然。

【緊と(みしと)】
強く力を入れてするさま。しっかと。

【みっちり】
十分に行うさま。みっしり。

【むざむざ】
何のなすところもないさま。やすやすと。あっさりと。

【むたと】
無分別に。ひどく。むやみやたらに。

【宗と(むねと)】
もっぱら。主として。
大将として。

【めた】
程度がはなはだしいさま。めたと。やたらに。むやみに。

【めたと】
秩序や節度がなく、度を超しているさま。むやみに。
泥酔するさま。

【めたもの】
むやみやたらであるさま。むちゃくちゃに。

【めっきり】
急に目立って変化するさま。きわだって。
量や程度がはなはだしいさま。たっぷり。

【滅多無性(めったむしょう)】
(多く「に」を伴って)むやみやたらに。めちゃくちゃ。

【滅多矢鱈(めったやたら)】
(「めったやたらに」「めったやたらと」の形でも用いる)常識では考えられないほど程度がはなはだしい。

【毛頭(もうとう)】
(下に打ち消しを伴って,打ち消しを強調する気持ちを表す)毛の先ほども。少しも。いささかも。

【もそっと】
「もう少し」の意の古めかしい言い方。もうちょっと。

【もそろもそろに】
そろそろ。しずしず。

【もっと】
今まで以上にその状態や程度を高めるさま。さらに。いっそう。

【漏れ無く(もれなく)】
例外のないさま。ことごとく。

【脆くも(もろくも)】
予想や期待に反して,粘りやがんばりに乏しいさま。あっけなく。

【易易(やすやす)】
物事をいかにもやさしそうにするさま。簡単に。たやすく。

【暗と・闇と(やみと)】
むやみと。やたらと。

【優に(ゆうに)】
十分で余りあるさま。数量・程度がなおそれ以上あるさま。多く、下に数を表す語を伴う。

【夢聊か(ゆめいささか)】
(下に打ち消しの語を伴って)夢にも。これっぽっちも。いささかも。

【夢更(ゆめさら)】
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。夢にも。

【夢に(ゆめに)】
(下に打ち消しの語を伴って)少しも。いささかも。

【夢にも(ゆめにも)】
(下に打ち消しの語を伴って)思いがけずに起こった事態を予想できるはずは全くないという気持ちを込めて、打ち消しを強調する語。少しも。全然。

【夢許り(ゆめばかり)】
(夢かと思われるほど)きわめて少しばかり。
(「ゆめばかりも」の形で,下に打ち消しの語を伴って)すこしも。いささかも。

【良く・能く・善く(よく)】
念を入れて行うさま。十分に。手落ちなく。ていねいに。
程度がはなはだしいさま。非常に。大変に。
頻度が高いさま。たびたび。しばしば。
困難なことをしたものだという気持ちを表す。
その行いをほめるときに使う。けなげにも。よくぞ。
逆説的に、そのおこないを非難したり、皮肉ったりする気持ちを込めて使う。ぬけぬけと。ずうずうしくも。あきれたことに。
うれしい、ありがたいという気持ちを表す。
事にあたって能力を立派に発揮するさま。じょうずに。みごとに。

【能く能く(よくよく)】
念には念を入れて慎重に行うさま。十分に。
程度がはなはだしいさま。多く好ましくない物事に用いる。
(「よくよくのこと」の形で)他にどうしようもなくやむをえないさま。よっぽど。

【世に(よに)】
世間にくらべるものがないほど、程度がはなはだしいさま。非常に。
(下に打ち消しを伴う)決して。

【世に世に(よによに)】
きわめて。非常に。

【よっぱら】
十分に。いっぱい。

【より】
物事の程度がさらに加わるさまを表す。もっと。いっそう。

【碌すっぽ・陸すっぽ(ろくすっぽ)】
(下に打ち消しの語を伴って)物事を満足にはなしとげないさま。十分には。「ろくに」のくだけた言い方。

【分きて・別きて(わきて)】
とりわけ。特に。格別。

【別けても(わけても)】
「わけて」を強めた言い方。その中でも特に。とりわけ。

【纔かに(わずかに)】
差が非常に少ないさま。
そのことだけがなんとか実現するさま。かろうじて。やっとのことで。

【わっと】
急に大声を上げたり、大声で泣き出したりするさま。
大勢の人がいっせいに何かをするさま。どっと。

【割合に(わりあいに)】
「割合」に同じ。割に。

【割りかし(わりかし)】
「わりかた」の俗語的な言い方。わりかた。わりあい。

【割り方(わりかた)】
「割合」に同じ。

【割方(わりかた)】
「割合」に同じ。

【割と(わりと)】
「わりに」に同じ。かなりくだけた言い方。

【割に(わりに)】
予想された程度をやや超えているさま。他の物に比べて、ややその傾向が認められるさま。わりあいに。わりと。