語彙ログ。

言葉の意味や語源の覚え書き

副詞(事柄)用語集

【相変わらず(あいかわらず)】
以前と同じように。今までどおり。

【頭から(あたまから)】
(相手の気持ちや立場を全く考えず)初めから。のっけから。てんから。

【頭で(あたまで)】
初めから。頭から。

【強ち(あながち)】
(下に打ち消しの語を伴う)一方的に決めつけられないさま。一概に。まんざら。必ずしも。
決して。むやみに。

【豈(あに)】
(打ち消しの表現を伴って)決して。
(下に反語の表現を導いて)どうして。

【剰へ(あまさえ)】
「あまつさへ」の促音「つ」の無表記。

【予め(あらかじめ)】
将来の事態に先立って、ある物事を行うさま。前もって。かねて。

【改めて(あらためて)】
新しくやり直すさま。別の機会に。
こと新しく。ことさらに。

【如何(いかが)】
(相手の気分や意向をたずねるときなどに用いる。やや改まった語感を伴う)どんなふう。どう。
(誘ったり勧めたりするときに用いる)どうですか。
(疑いや危ぶむ気持ちを表すときに用いる)どんな。
反語を導く語。どうして。

【幾重にも(いくえにも)】
繰り返し。ひたすら。かさねがさね。罪をわびたり相手に切に願ったりする気持ちを込めて言う。
多く重なっているさま。

【一概に(いちがいに)】
(多く下に打ち消しの語を伴う)すべて同じようには扱えないさま。一まとめにして。ひとしなみに。おしなべて。

【一般に(いっぱんに)】
特別な例を除き,多くの場合に当てはまるさま。普通。

【陰に(いんに)】
それときづかないようにかげで行うさま。こっそりと。内々。
⇔陽に

【打ち絶えて(うちたえて)】
(下に打ち消しの語を伴って)まったく。すっかり。

【有無に(うむに)】
事情のいかんに関係なく。どうあっても。何が何でも。
まったく。すっかり。

【得て(えて)】
ある傾向になりがちであることを表す語。とかく。よく。えてして。
(あとに打ち消しの語を伴って)不可能だ、とても…できない、の意を表す。副詞「え」に同じ。

【得てして(えてして)】
ある傾向になりがちであるさま。ややもすると。ともすると。

【宛として(えんとして)】
さながら。あたかも。

【往往(おうおう)】
(「に」を伴っても用いられる)そうなる場合が多いさま。よくあるさま。多く,好ましくない事態について用いる。

【押し並べて(おしなべて)】
大体の傾向をとらえるさま。概して。
どれもこれも同じであるさま。一様に。
普通であるさま。世間並み。

【遅くとも(おそくとも)】
「 遅くも 」に同じ。

【遅くも(おそくも)】
たとえ遅くなっても。遅くても。遅くとも。

【同じくは(おなじくは)】
おなじことなら。どうせなら。いっそ。

【己が自(おのがじし)】
めいめいに。それぞれに。

【折良く・折好く(おりよく)】
ちょうど具合よくその事態が起こるさま。都合よく。
⇔折悪(あ)しく

【掻い暮れ(かいくれ)】
(下に打ち消しの語を伴って)まったく。まるで。かいもく。

【返す返す(かえすがえす)】
何度考えても。過ぎてしまった物事について,もう取り返しがつかないという気持ちを込めて言う。
何度も繰り返すさま。くれぐれも。かえるがえる。
ていねいに。ねんごろに。念入りに。

【返る返る(かえるがえる)】
「 かえすがえす 」に同じ。

【可及的(かきゅうてき)】
できるかぎり。なるべく。

【斯く(かく)】
このように。このとおり。こう。
(「かくも」の形で)これほど。これほどまで。→かくも
副詞「と」と呼応して用いられる。このように。
副詞「か」と呼応して用いられる。このように。

【斯く斯く(かくかく)】
内容を具体的に表さず省略して言う時に用いる語。こうこう。かようかよう。

【斯くして(かくして)】
こうして。このようにして。

【斯くても(かくても)】
このようにしても。こんな状態でも。

【重ね重ね(かさねがさね)】
〔文章語で,多く手紙や公式の発言に用いる〕 同じ行為・事態が繰り返されるさま。たびたび。
念を入れるさま。いくえにも。くれぐれも。

【重ねて(かさねて)】
同じ行為・事態をもう一度繰り返すさま。再び。文章語で、多く手紙や公式の発言に用いる。
この次。今後。

【果然(かぜん)】
予期していたとおりになるさま。思ったとおり。はたして。

【堅堅(かたかた)】
透き間なく詰まっていて崩れにくいさま。
確かなさま。

【片っ端から(かたっぱしから)】
端から順にすべてに及ぶさま。はしから次々に。手当たり次第に。無差別に。かたはしから。
=片端から(かたはしから)

【且つ(かつ)】
二つのことが同時にまたは相前後して行われることを表す。一方では。
すぐに。かたはしから。次々に。
わずかに。ちょっと。
あらかじめ。前もって。

【かつかつ】
ほとんど余裕のないさま。ぎりぎり。かろうじて。

【必ずや(かならずや)】
きっと。たしかに。

【必ず(かならず)】
一つの例外もなく,ある物事が起こるさま。ある条件のもとで例外なく起こるさまにも用いる。例外なく。常に。
まちがいなく。きっと。
(下に禁止や打ち消しの語を伴って)決して。必ずしも。

【必ずしも(かならずしも)】
(下に打ち消しの語を伴って)一部分はそうであっても、全部がそうではないという気持ちを表す。部分否定の意を示す語。いつでも。

【かにかくに】
とやかくと。あれこれと。

【かにもかくにも】
ともかくも。あれこれと。

【構ひて(かまいて)】
必ず。きっと。

【構へて(かまえて)】
かならず。きっと。
よく気を配って。

【かもかくも】
ともかくも。どのようにでも。かにかくに。
=かもかも

【辛くも(からくも)】
どうにか困難な状況から逃れるさま。やっとのことで。

【仮初めにも(かりそめにも)】
(多く下に打ち消しや反語の語句を伴って)打ち消しを強調する語。どんなことがあっても。けっして。
最低限の事実を提示する意を表す。いやしくも。少なくとも。
ほんの一時的にも。ちょっとでも。

【仮に(かりに)】
そうだと仮定して。もしも。
(順接の条件表現を伴って)万が一。
(逆接の条件表現を伴って)たとえ。
間に合わせに。一時的に。
いいかげんに。かりそめに。

【仮にも(かりにも)】
(多く下に打ち消し・禁止・反語の語句を伴って)打ち消しを強調する語。決して。かりそめにも。
最低限の事実を提示する意を表す。いやしくも。かりそめにも。
一時的なことであっても。すこしでも。

【彼此(かれこれ)】
いろいろな物事を漠然とまとめて示す意を表す。あれやこれや。何やかや。
(下に数値を表す語を付けて)だいたいその数値に近いさま。およそ。だいたい。おっつけ。
あれといい,これといい。いずれにつけても。何とも。

【元来(がんらい)】
はじめから,そのような状態・性質であることを表す。もともと。本来。
(文頭に用いて)物事を説き起こすときにいう語。そもそも。

【きかと】
はっきりと。明白に。

【きちり】
物がよくあてはまるさま。きっちり。
物のよく整っているさま。きちんと。

【屹度・急度(きっと)】
確実にそうなるだろうと予測しているさま。
自身の事柄に関しては決意を,相手に対しては強い要望を表す。必ず。
あることが確実に行われるさま。必ず。
厳しいさま。状態にゆるみがないさま。
腹を立てているさま。
動作・状態が瞬間的であるさま。

【きと】
決意・意志などがはっきりしているさま。必ず。きっと。
きびしく申しつけるさま。きっぱりと。きっと。
態度などがゆるみのないさま。きびしいさま。きっと。
何げなしに。ふと。ちょっと。
唐突なさま。すばやいさま。

【決まって(きまって)】
ある条件のもとでは,いつもそうなるという気持ちを表す。いつでも。

【遽然(きょぜん)】
急なさま。あわてるさま。突然。

【極まりて(きわまりて)】
きわめて。この上もなく。

【奇しくも(くしくも)】
起こった事態の偶然性を不思議に思うさま。偶然にも。

【けざけざ】
際立ってはっきりしているさま。けさけさ。

【蓋しく(けだしく)】
(多く助詞「も」を伴って用いる)「けだし」に同じ。

【決して(けっして)】
(下に打ち消しの語を伴って)打ち消しを強調する気持ちを表す。どんなことがあっても。けして。
一部分はそうであっても,全部がそうではないという気持ちを表す。部分否定の意を表す。必ずしも。
推量や判断が間違いないと思われるさま。必ず。きっと。

【斯うして(こうして)】
このように。

【こつこつ】
硬い物が触れ合って発する音を表す語。戸をたたく音や舗道を歩く靴音など。
態度がかたいさま。

【事毎に(ことごとに)】
問題となる物事が起こるたびに。何かにつけて。

【故(ことさら)】
際立つように意図的に物事を行うさま。故意に。わざと。わざわざ。
とりたてて。とりわけ。特に。格別。

【事と(ことと)】
とりわけ。ことに。
すっかり。はっきりと。

【殊に(ことに)】
他と比べて際立っているさま。とりわけ。特別。
(打ち消しの語を伴って)とりたてて。たいして。あまり。
その上。加えて。

【殊の外(ことのほか)】
予想に反して程度がはなはだしいさま。思いのほか。
普通以上に程度がはなはだしいさま。格別。はなはだ。

【こない】
(関西地方で)このよう。こんな。「こないな」の形で連体詞的にも用いる。

【相(こもごも)】
代わる代わる。次々。
各々。それぞれ。

【然(さ)】
前に示されていることを受けて,その事態を示す語。そう。そのように。

【幸いに(さいわいに)】
運よく。折よく。さいわい。
そうしてくれれば私はしあわせであるという意を表す。どうぞ。なにとぞ。

【然して(さして)】
(下に打ち消しの語を伴って)その程度があまりはなはだしくない状態や特別ではないさまを表す。それほど。たいして。
それとはっきりと。

【差し向き(さしむき)】
今のところ。目下。「さしあたり」の古い言い方。
さしずめ。言ってみれば。

【然しも(さしも)】
程度が並ではないことをだれもが認めているさま。あれほど。あんなに。多くの予想に反した結果について用いる。
「さ(然)」を強めた言い方。そのようにも。

【嘸かし(さぞかし)】
「さぞ」を強めた語。さだめし。さぞや。

【さね】
まことに。必ず。
(下に打ち消しの語を伴って)決して。少しも。

【然許り(さばかり)】
それくらい。あのくらい。あんなにも。
非常に。たいへん。

【然程(さほど)】
(「さほどに」の形でも用いられる。下に打ち消しの語を伴う)「それほど」の改まった言い方。そんなに。

【然迄(さまで)】
(下に打ち消しの語を伴って)それほどまでに。そんなには。

【然も(さも)】
本当にそれらしいさま。いかにも。
そのように。そのとおりに。

【さわさわ】
風がさわやかに吹くさま。
気分がさわやかなさま。さっぱりと。
はっきり。明瞭に。

【さわれ】
⇒さばれ

【さんざ】
「さんざん」に同じ。

【さんざっぱら】
「さんざん」を強めていう語。思いっきり。ひどく。

【然(しか)】
そのように。そう。
感動詞的用法。相手の言葉を受けて,あいづちを打ったり,承諾の意を表すとき用いる。そうだ。はい。

【爾く(しかく)】
そのように。そんなに。

【確確(しかしか)】
はっきりとしているさま。しっかりと。
物事がはかばかしく進むさま。

【締めて(しめて)】
合計すると。総計で。

【しゃりむり】
むりやり。是が非でも。

【順次(じゅんじ)】
順序に従って,物事をするさま。順繰り。順に。

【所詮(しょせん)】
あれこれ努力してみたが,結局のところ。あれこれ考えたりした結論として。結局。

【直様(すぐさま)】
時を移さず。ただちに。即刻。「すぐ」を強めた言い方。

【直と(すぐと)】
ただちに。すぐに。

【既に・已に(すでに)】
ある動作が早くも終わっている意を表す。以前に。もう。
早くもそういう状態になっている意を表す。
明らかにそうであると述べる意を表す。
動作や状態が確定し,確かにそうなっていることを表す。
すっかり。全く。
すんでのことで。あぶなく。今にも。
現に。まちがいもなく。

【すでのこと】
もう少しで。すんでのこと。

【須く(すべからく)】
ぜひともしなければならないという意を表す。当然。

【既の事(すんでのこと)】
(多く「すんでのことに」「すんでのことで」の形で)好ましくない事態を最後の段階で回避したさま。もう少しのところで。あやうく。「すんでのところで」の形でも用いる。 「

【是っ非(ぜっぴ)】
きっと。必ず。

【せめて】
それで満足というわけではないが、最小限これだけでもという話し手の気持ちを表す。少なくとも。
しいて。痛切に。
しきりに。また、熱心に。
なおも続けて。
非常に。たいへん。
せいぜい。たかだか。

【総じて(そうじて)】
全体の傾向などをおおまかに述べるさま。だいたい。総体。
全部。すべて。

【総別・惣別(そうべつ)】
およそ。だいたい。

【俗に(ぞくに)】
専門用語としてではなく世間で用いられていることを表すさま。世間一般に。

【そも】
「そもさん(作麽生)」に同じ。

【そもさん】
どんなか。どうする。いかに。どうなのか。

【そもや】
いったい全体。

【そもやそも】
そもそも。いったい全体。

【そら程(そらほど)】
「それほど」の転。

【それからそれと】
(一貫性がなく)物事が次々と起こるさま。それからそれへと。

【其れ許りか(そればかりか)】
現在の好ましくない事態に加えて、さらに好ましくない事態が付け加わることを、慨嘆の気持ちを込めていう語。それだけではなく、その上さらに。

【そろそろ】
動作を静かにゆっくり行うさま。そっと。しずしず。
ある状態や時刻になりかかったさま。間もなく。ぼつぼつ。

【そんなに】
程度が激しいさま。それほどに。
(下に打ち消しの語を伴って)程度が思ったほどでないさま。

【絶えず(たえず)】
動作などが切れ目なしに,または,繰り返して行われるさま。いつも。

【絶えて(たえて)】
(下に打ち消しの語を伴って)まったく。少しも。全然。
ある時点を境として,それ以後ずっと。長い期間,関係が断ち切られているさま。
関係のあるものすべて。すっかり。

【唯唯(ただただ)】
(多く下に「だけ」「ばかり」を伴って)「ただ」を強めていう語。ひたすら。

【唯なりに(ただなりに)】
事がある方向に急変するさま。ひたすら。

【唯に(ただに)】
(下に「だけ」「のみ」などを伴って)ある物事だけに限定するさま。単に。否定の表現と呼応して文章語的に用いる。

【強って(たって)】
どうしても実現しようと強く要求したり切実に希望したりするさま。無理に。しいて。どうしてでも。

【例えば(たとえば)】
前に述べたことに対して,具体的な事例を示す時に用いる語。例をあげれば。
(下に「ような」などを伴って)ある事柄を他の事柄にたとえていう語。たとえていえば。
ある事態を仮定をする時に用いる語。かりに。もしも。
「とも」などと呼応して逆接仮定条件を表す。たとえ。よしんば。
仮定の事柄を例示するのに用いる。言ってみれば。

【適(たまたま)】
何らかの目的・意図もなくそうなるさま。
思いがけなく、そのような事態・状況に出くわすさま。ちょうどその時。
うまい具合にそういう事態・状況になるさま。運よく。
そのような機会がまれにしかないさま。時おり。

【たよせに】
はるかに離れているさま。
事のついでに。

【単に(たんに)】
(下に「だけ」「のみ」などを伴って用いられることが多い)ただそれだけに限られているさま。
その語に意味の省略があることを示す。

【ちゃくと】
すぐに。ただちに。
ちょっと。すこし。また,手軽に。

【ちんぶらり】
物が何もないさま。

【つい】
そうする気持ちのないままに,そのことをしてしまうさま。思わず。うっかり。
そうしようという気持ちがありながら,実際に行う機会を失ってしまったさま。
距離・時間などが非常に近いさま。すぐ。

【終しか(ついしか)】
いまだかつて。まだ一度も。ついに。

【終ぞ(ついぞ)】
(下に打ち消しの語を伴って)その行為や状態をこれまで一度も経験したことがないさま。いまだかつて。

【ついつい】
「つい」を重ねて意味を強めた語。

【序でに(ついでに)】
何かをするその機会を利用して,直接には関係のないことを行うさま。関連して。

【終に・遂に・竟に(ついに)】
長い時間の過ぎたのちに,期待したり危惧したりした状態に達するさま。さまざまの過程を経て実現したさま。とうとう。
(下に打ち消しの語を伴って)その物事が結局実現しないままで終わるさま。ある時点まで,ずっと。一度も。いまだかつて。ついぞ。
最後に。終わりに。

【通じて(つうじて)】
大きく全体を見ると。総じて。

【夙に(つとに)】
ずっと以前からその物事の存在が知られているさま。
早くから。
幼時から。若い時から。
朝早く。

【詰まりは(つまりは)】
結局は。要するに。「つまり」をやや強めた言い方。

【詰めては(つめては)】
結局は。最後には。

【ていと】
きっと。必ず。
たしかに。まちがいなく。

【天から(てんから)】
(多く下に否定的表現を伴って)最初から考慮の及ぶ範囲にないさま。はじめから。あたまから。てんで。まるっきり。

【どうで】
いずれにせよ。「どうせ」の古めかしい言い方。

【どうやら】
十分とはいえないが,一応の成果が得られたさま。どうにか。やっと。
確実ではないが客観的に見てそう予測できるさま。どうも。

【どうやらこうやら】
「どうにか」を強めた言い方。やっとのことで。どうにかこうにか。

【道理で(どうりで)】
物事の原因や理由に思いあたるふしがあるさま。そういうわけで。なるほど。

【特に(とくに)】
それだけをとりたてていうさま。とりわけ。特別に。

【何方道(どっちみち)】
どのような経過を経ても結局は必ずそうなるという気持ちを表す。どのみち。いずれにしても。

【とてもかくても】
どうしてもこうしても。どのようにしても。どうせ。しょせん。
どんな風にしてでも。どうやってでも。

【とにかくに】
何やかや。あれこれ。
いずれにせよ。何はともあれ。とにかく。

【兎にも角にも(とにもかくにも)】
とにかく。ともかく。

【何の道(どのみち)】
どのような経過を経ても結局は必ずそうなる、という気持ちを表す。いずれにしても。どっちみち。

【兎も角(ともかく)】
不確かな点はさておいて、まずは実行したり判断したりするさま。とにかく。ともかくも。

【兎も角も(ともかくも)】
「ともかく」を強めた言い方。とにかく。
どのようにでも。なんとでも。
(下に打ち消しの語を伴って)どのようにも。なんとも。

【とやかく】
批判めいたことをいろいろと言いたてるさま。なんのかの。あれやこれや。

【取り敢えず(とりあえず)】
十分な対処は後回しにして暫定的に対応するさま。なにはさておき。
将来のことは考慮せず、現在の状態だけを問題とするさま。さしあたって。

【取り立てて・取立てて(とりたてて)】
(多く打ち消しの語を伴って)特別のものごととして取り上げて。特に問題として。

【取り分けて・取分けて(とりわけて)】
ことに。特別に。とりわけ。

【取り分き(とりわき)】
ことさらに。とりわけ。

【取分け(とりわけ)】
同じようなものの中でも、その程度が際立ってはなはだしいさま。特に。ことに。とりわけて。

【尚・猶(なお)】
以前の状態がそのまま続いているさまを表す。
相変わらず。いぜんとして。
引き続いて。もとのとおり。
以前の状態や他の同類のものと比べて程度が進んでいるさま。
ますます。よりいっそう。
(好ましくないと思う気持ちを強調して)さらに。もっと。
それにさらに付け加える余地があるさまを表す。まだ。
前の語を受けて強調する意を表す。…でさえも。でも。
(漢文訓読に由来する語法で,下に,「如し」を伴う)あたかも。ちょうど。
(当然のこととして)なんといっても。やはり。たしかに。

【尚且つ・猶且つ(なおかつ)】
やっぱりまだ。それでも。あいかわらず。「なお」を強調した言い方。
ある事柄に別の事柄を付け加える意を表す。その上また。

【尚更(なおさら)】
ある条件が加わることで,物事の程度が以前よりいっそう進むさま。一段と。ますます。

【尚も・猶も(なおも)】
その状態が変化する気配もなく,そのまま継続しているさま。その上まだ。それでもまだ。
さすがに。やはり。

【尚以て・猶以て(なおもって)】
なおさらいっそう。なおのこと。
それでもやはり。

【就中(なかんずく)】
多くの物事の中から特に一つを取り立てるさま。とりわけ。中でも。特に。

【何かしら(なにかしら)】
物事が特定出来ないさま。何か。
原因・理由がはっきりしないさま。どうしたわけか。

【なふさなふさ】
⇒のうさのうさ

【成る丈(なるたけ)】
できるだけ。「なるべく」のくだけた言い方。なるだけ。

【成る可く(なるべく)】
可能であればそうしたい、そうしてほしいという気持ちを表す。 できることなら。なるたけ。

【何で(なんで)】
原因・理由などを尋ねたり自問したりするのに用いる語。どうして。どういうわけで。
(反語に用いて)打ち消しを強調する気持ちを表す。どうして。なにゆえに。

【何とやら(なんとやら)】
はっきりした理由がないさま。なんとなく。なにやら。どういう訳か。
名称や言葉などをぼかしたり、婉曲に言うときに用いる語。なんとか。

【なんなり】
(前に「なり」を伴って)どれでも許容する意を表す。どのようにも。どんなものでも。

【なんぼ】
不定の意を表す。どの程度。どのくらい。
数量・程度がはなはだしく、はっきりと限定できない意を表す。どんなにか。いかように。
(「なんぼ…ても」「なんぼ…でも」などの形で)数量が多く、程度がはなはだしい意を表す。いくら…ても。どれほど…でも。
いくらなんでも。どんなに…しても。

【何ぼう(なんぼう)】
=なんぼ

【根っから】
=根から

【のうさのうさ】
分相応に。時に応じて。

【正しく(まさしく)】
ある事柄がまちがいなく成り立つさま。確かに。まさに。

【正でに(まさでに)】
ありのままに。真実に。たしかに。

【将に・正に(まさに)】
ある事柄が成り立つことが動かしがたいさま。疑いもなく。確実に。
一つの事物をそれ以外にはないものとして特に取りたてるさま。ちょうど。ぴったり。
(多く「将に」と書く)もう少しのところで物事が起こるさま。ちょうど今。
(多く「当に」と書く。「まさに…べし」の形で)ある事柄が成立することが強く望まれているさま。当然。
(反語表現に用いられて)ある事柄が成立するはずのないことを強調する気持ちを表す。どうして…しようか。

【況してや(ましてや)】
「況して」を強めた言い方。

【先ず(まず)】
他のことに先んじて最初に行うさま。最初に。第一に。
当面ある物事を優先させるさま。何はともあれ。ともかく。
十分ではないがおおむねよいと判断するさま。だいたいのところ。一応。まずまず。
確信している事柄が現実にそうなる可能性が高いと判断する気持ちを表す。
ある程度の確信的な判断を持っているとき使う語。多分。

【先ずは(まずは)】
「まず」を強めた言い方。何はともあれ。ともかく。ひとまず。

【先ず以て(まずもって)】
何はおいても。とにもかくにも。「まずは」の改まった言い方。

【莫(まな)】
(多く「…することまな」の形で)禁止を表す。…するな。

【満更(まんざら)】
(あとに否定的な語を伴って)否定的な意味をさらに強める気持ちを表す。全く本当に。
(否定的な語のあとにさらに打ち消しの語を伴って)否定の意味をやわらげたり,むしろ逆であるの意味を表したりする。必ずしも。

【見ん事(みんごと)】
「見事」を強めた言い方。

【も】
「もう」のくだけた言い方。さらに。もっと。
もはや。もう。

【もし】
(「ば」「たら」「なら」などの語と呼応して)確定していない物事、事実に反する物事を仮定して次に述べる物事の条件とする意を表す。かりに。万一。
(下に疑問や推量の意を表す語を伴って)確実ではないが、十分にあり得る事態を想定する気持ちを表す。あるいはひょっとして。もしかすると。もしかしたら。

【若しか(もしか)】
「もし」を強めた言い方。「もし」に同じ。

【文字通り(もじどおり)】
少しもうそや誇張のないさま。文字に記したとおり。

【元より・固より・素より(もとより)】
そうであることについて,なんら疑いをさしはさむ余地がないさま。いうまでもなく。
昔から。初めから。以前から。
もともと。元来。

【晴れて(はれて)】
世間や特定の人に遠慮をしなければならない状態から解放されるさま。だれにはばかることなく。

【直と(ひたと)】
すきまなく接しているさま。
それまで続いていたものが急に止まるさま。
そのことに集中しているさま。ひたすら。いちずに。

【引きも切らず(ひきもきらず)】
人や電話などが次から次へと続いて途切れないさま。ひっきりなし。

【ひとまど】
「ひとまず」の転。

【翻って(ひるがえって)】
今までとは違った立場や方面からみるさま。反対に。

【ふいと】
何の前触れもなく物事が起こるさま。突然。不意に。ふと。

【ふっと】
口をすぼめて,軽く息を吹き出す音を表す語。
物事が何の前触れもなく,突然起きるさま。事態が急に変化するさま。
物が一気に切れたり折れたりするさま。また,その音を表す語。

【ふつに】
(下に打ち消しの語を伴って)絶えて。全く。断じて。
すっかり。すべて。

【ふとして】
ちょっとしたはずみで。ひょっとして。

【振り延へ(ふりはえ)】
わざわざ。ことさら。

【別して(べっして)】
特別であるさま。とりわけ。特に。

【別に(べつに)】
(下に打ち消しの語を伴って)取り立てて言うこともないという気持ちを表す。とりたてて。特別に。

【歩一歩(ほいっぽ)】
少しずつ進むさま。一歩一歩。

【殆(ほとほと)】
たいへん。まったくもう。多く,嫌な思いをしたり,困りはてたりした時にいう。
ほとんど。だいたい。
もう少しのところで。すんでのことに。

【前以て(まえもって)】
将来の事態に先立って、ある物事を行うさま。前に。あらかじめ。

【曲がり形にも(まがりなりにも)】
不十分ではあるが,最低の条件は満たしているさま。どうにかこうにか。

【又(また)】
同じ事柄が再び起きたり、繰り返されたりするさまを表す。
もう一度。再び。重ねて。
今度も。同様に。やはり。
他と比べて事態・状態が同じであるさまを表す。やはり。同様に。
もう一つ別の要素が加わるさまを表す。その上に。

【又しても(またしても)】
「また」を強めた語。同じことが繰り返されることを驚きや慨嘆の気持ちを込めていう語。再び重ねて。またまた。多く、好ましくない物事に用いる。

【又も(またも)】
「また」を強めた語。またしても。またまた。

【又もや(またもや)】
同じことが繰り返されることを驚きや慨嘆の気持ちを込めていう語。またまた。またしても。

【真っ斯う(まっこう)】
全くこう。全くこのとおり。

【見す見す(みすみす)】
(悪い状況について)目の前で見ていたり,そうなるとわかっていながら,どうしようもないさま。
見ているうちに。目の前で。

【身乍ら(みながら)】
自分ながら。われながら。

【身自ら(みみずから)】
自分自身で。自ら。

【申さんや(もうさんや)】
「いわんや」の謙譲語。言うまでもなく。まして。

【元より(もとより)】
そうであることについて、なんら疑いをさしはさむ余地がないさま。いうまでもなく。
昔から。初めから。以前から。
もともと。元来。

【も又(もまた)】
もはや。もうすでに。

【矢っ張り(やっぱり)】
「やはり」を強めた語。多く話し言葉に用いる。

【矢庭に(やにわに)】
ある動作を行なったその場で,間をおかず一気に次の行動にとりかかるさま。ただちに。たちどころに。
相手の意表をついて、急に行動を起こすさま。だしぬけに。突然。いきなり。

【闇闇(やみやみ)】
どうすることもできないさま。みすみす。やすやすと。
心が乱れて,分別を失うさま。物のけじめのわからないさま。

【動ともすると(ややともすると)】
「ややともすれば」に同じ。

【動ともすれば(ややともすれば)】
「ややもすれば」を強めていう語。

【動もすると(ややもすると)】
「ややもすれば」に同じ。

【動もすれば(ややもすれば)】
物事がとかくそうなりがちであるさま。どうかすると。ともすれば。

【努(ゆめ)】
(下に禁止の語句を伴って)禁止を強調する気持ちを表す。けっして。かならず。
(下に打ち消しの語を伴って)夢にも(…しない)。すこしも(…しない)。

【努努(ゆめゆめ)】
(下に禁止の語を伴って)けっして。きっと。
(下に打ち消しの語を伴って)ゆめにも。少しも。
つとめて。精を出して。

【夢夢(ゆめゆめ)】
(下に禁止の語を伴って)けっして。きっと。
(下に打ち消しの語を伴って)ゆめにも。少しも。
つとめて。精を出して。

【要するに(ようするに)】
前に述べた事柄を,趣旨をかえずに別の言葉で短くまとめようという気持ちを表す。要約して言えば。かいつまんで言えば。つまり。

【善かれ悪しかれ(よかれあしかれ)】
よくても悪くても。どっちにしても。結局。

【縦ゑやし(よしえやし)】
「よし」「よしゑ」を強めたもの。
たとえ。かりに。
しかたがない。ままよ。

【よしか】
とはいっても。それよりは。むしろ。

【縦も(よしも)】
たとえ。かりに。

【縦や(よしや)】
たとえ。かりに。
不満足ではあるがやむをえないさま。まあいい。ままよ。

【縦んば(よしんば)】
(多く下に逆接の仮定条件を伴う)話し手が肯定しがたい,極端な事態を仮に想定するさま。たとえそうであったとしても。かりに。

【歴と(れっきと)】
疑う余地のないほど確かなさま。明白なさま。
家柄・身分などが高いさま。

【分けて(わけて)】
ある事柄だけを特別に取り立てるさま。ことさら。