語彙ログ。

言葉の意味や語源の覚え書き

河川の用語集

【暗渠(あんきょ)】
上部を開放しない水路。市街地での小河川で水路の上を道路や公園に利用しているところもある。

一級河川(いっきゅうかせん)】
河川法上の分類名称で、国が国土の保全上、または国民経済上特に重要な水系について、政令で指定した河川。河川の分類は一級河川二級河川に分かれ、その特徴は水系ごとに指定されているので基幹となる河川が一級に指定されると同一水系であれば支川、派川の小規模な河川でも一級水系◯◯川と呼ばれる。

【越水(えっすい)】
河川の水が堤防の上をあふれて越えていくこと。

【越流提(えつりゅうてい)】
遊水地などで計画的に部分的に低く作られた堤防。洪水時に一定の水位以上になれば自然に越流させ洪水の一部を調整するもの。

【海岸法(かいがんほう)】
昭和31年に制定された、津波、高潮、波浪等の海岸災害からの防護をのための海岸保全の実施に関する基本法。平成11年の改正により、海岸環境や利用を含む総合的な管理や、地域の意見を反映した計画つくり等についての規定が加えられた。

【河口処理(かこうしょり)】
河口付近では、河川の流れと海の流れがそれぞれ作用して複雑な現象が生じ、流れ出た土砂や沿岸砂の堆積等によって河口が埋まるなどの悪影響が発生する。これらへの対応として実施される対策。例えば河道の浚渫や導流提などがある。

【河床(かしょう)】
河川において流水に接する川底の部分を河床と呼び、その部分が洪水などにより削り取られ低下する現象を河床低下と呼ぶ。

【霞提(かすみてい)】
堤防の一部を連続させず、洪水の一部を氾濫させて下流に流下する洪水の量を少なくしたり、上流で氾濫した水を速やかに河川に戻すために用いる方法。

【河積(かせき)】
河川の横断面において流水の占める断面積。

【河川管理者】
河川を管理している国、都道府県などの機関をいう。具体的には一級河川については国土交通大臣(河川法9条)二級河川については都道府県知事(同法10条)準用河川については市町村長です(同法100条)。

【河川工作物】
河川管理施設及び許可工作物を総称して河川工作物という。
1.河川管理施設
流水によって生ずる公利を増進し、または公害を除却し、もしくは軽減するために行う河川工事として設置し、管理する構造物。具体的には堤防、護岸、水制、床止め、堰、水門、樋門等をいい、治水のためのダムもこれに含まれる。
2.許可工作物
河川の流水を利用するため、あるいは河川を横断するなどのために河川管理者以外の者が河川法に基づく許可を得て設置する工作物。河川敷地の占用を伴うため、占用工作物とも言われる。

【河川改修】
洪水による氾濫を防ぐため、堤防を作ったり、河床を掘ったり広げたりして整備すること。

【河川環境整備事業
良好な河川環境の増進を目的とした河川整備事業

【河川区域】
水が常に流れている部分、水際から堤防までの平地(高水敷)、堤防や樋門など。また、高規格堤防については、別途高規格堤防特別区域がある。

【河川激甚(げきじん)災害対策特別緊急事業
洪水・高潮等により浸水家屋が2,000戸を越えるなど、激甚な災害が発生した地域について、河川の改良を緊急に実施することによって、ふたたび同じような災害が発生しないよう行う事業。昭和51年に発足した制度で、通称「激特事業」と呼ばれ、5箇年間で完了することを目途に行われる。

【河川敷(かせんじき)】
治水工事が施された河川の中で、普段水が流れていない平坦な土地(高水域)。
=川原

【河川法】
河川について、災害の発生が防止され、適正に利用され、機能が維持されるように管理し、国土の保全と開発に寄与するために、昭和39年に施行された法律。旧河川法は明治29年に作られた。平成9年に一部改正され、目的に「河川環境の整備と保全」が加えられ、地域の意向を反映した河川整備計画を導入。

【河道(かどう)】
流水を安全に流下させるための水の流れる部分。通常水が流れている低水路と、洪水の時だけ流れる高水敷に分けられる。

【河道(かどう)安定化対策】
蛇行したりしていると、複雑な流れにより河岸が浸食されたり、土砂が堆積したりする。対策工として護岸工事や水制工等を実施し、川の流れを安定させること。

【河川環境管理基本計画】
河川環境の適正な保全と創造を図るため、流域の特色を生かしつつ、周辺環境との調和、流域住民の方々の利用を考慮し定めたもの。主に高水敷の利用について定めた空間管理計画と、水量、水質について定めた水環境計画とからなる。

【河畔林(かはんりん)】
洪水流や氾濫流の流勢を弱め、堤防の破堤を防止したり、氾濫被害を軽減するために、河川に沿って堤防の内外あるいは堤防上に設けられた帯状の樹林帯。

【川(かわ)】
地表の水が集まって傾斜した窪地にそって流れる水路。絶えず水が流れる細長い地形。雨として落ちたり地下から湧いたりして地表に存在する水は、重力によってより低い場所へとたどって下っていく。それがつながって細い線状になったものが川である。
=河川

【川明かり】
川の水面のあかるみ。川の水明かり。

【川遊び】
川に船を浮かべたり魚をとって遊ぶこと。

【川魚】
川にいる魚。
=かわざかな

【川音】
川水の流れる音。川の音。

【川風】
川の上を吹きわたる風。

【川上】
川の上流。

【川狩り】
川で魚をとること。
=川猟

【川岸】
川の水ぎわ。川のほとり。

【川口】
川が海や湖に流れこむ所。
=川じり

【川越し】
川を歩いて渡ること。
川の向こう側。対岸。

【川路】
川水の流れる道すじ。
=川筋

【川下】
川口に近い方。下流。

【川尻】
川の下流。川下。川口。

【川筋】
川の流れる道すじ。
=川路

【川瀬】
川底が浅く流れの速い場所。

【川沿い】
川にそうこと(そった場所)。川べ。

【川底】
河川の底にあたる部分の総称。川底には礫や砂が堆積している。都市部の河川ではヘドロなども堆積し汚染が深刻化している。
=河床(かしょう)

【川竹】
川べにはえる竹。

【川千鳥】
川に集まる千鳥。

【川づら】
川のおもて。川べり。川のほとり。

【川床】
川の底の地面。
=河床

【川止め】
水が出て危険な場合、川を渡るのを禁止したこと。

【川流れ】
川で流されること。川で溺れること。

【川波】
川に立つ波。

【川端】
川のふち。川べ。

【川開き(かわびらき)】
夏、花火を打ち上げ、川の納涼はじめを祝う年中行事。

【川縁】
川のふち。
=川べ。

【川船】
川を通行する船。高瀬舟伝馬船など。

【川べ】
川のほとり。
=川ぶち
=川縁

【川向こう】
川をへだてた向かいの岸。対岸。
=かわむかい

【川よど】
川の流れのよどんでいる所。

【川原(かわら)】
川の流れに沿う平地において、普段は水が流れていない砂や石の多いところ。
=河原

【幹川流路延長(かんせんりゅうろえんちょう)】

通常、本川の長さを言い、水源から河口に至るまでの延長。 水源の地点は一般的に水源の山頂からではなくはっきりした水路の形のある地点がその始点として採用される。

【救急内水(きゅうきゅうないすい)対策事業
内水の状況に応じて可搬式の比較的小規模なポンプを運搬設置し、地域毎に順次内水の排除を図る事業

【旧川(きゅうせん)】
昔は水が流れていましたが、現在はショートカットなどにより水が流れていない河川。

【急流河川】
河床の勾配が急な河川を一般にこう呼んでいます。洪水時の流速が極めて速く、河岸を浸食する力の大きい河川。

【丘陵提(きゅうりょうてい)】
通常より堤防の傾斜を緩やかにすることによって、堤防を安定させるとともに、水辺に近づきやすくして人々にやすらぎとうるおいのある空間を提供する堤防。
=緩傾斜堤防

【狭窄部(きょうさくぶ)】
川幅がせばまった部分のことで、一般的には洪水が流れの障害となっている部分。

【局所洗掘(きょくしょせんくつ)】
洪水が片寄って流れて部分的に早い流れが生じ、河岸などが部分的に深く掘られる現象。

【魚道(ぎょどう)】
河川を横断して設置される堰のことで、魚などが上下流に上り下りできるように作った道。

【緊急対策特定区間】
国土交通省河川局が平成15年から新たに導入した制度で、治水上の緊急性・必要性が高く、整備効果が大きい区間に対して、期間を定めて集中的に投資し、早期に事業効果を発現させるもの。

計画高水位(けいかくこうすいい)】
河川改修を行う場合に目標として設定される水位。洪水をこの水位以下で安全に流すよう河道をつくる。

【計画高水(けいかくこうすい)流量】
河川改修やダム等の治水施設を計画する場合に整備の目標として設定される流量。計画流量と表現されることもある。

【降雨(こうう)確率】
洪水等の原因となる降雨の発生確率で年超過確率でするもの。同様に流量の発生確率を流量確率という。

【高水護岸(こうすいごがん)】
堤防を洪水等の強い水の流れから保護するため設ける護岸。

【高水敷(こうすいじき)】
平常時は水が流れず、洪水になると水が流れる部分。洪水の時に堤防を守ったりする働きがある。

【護岸(ごがん)】
堤防や河岸を保護し、河岸の浸食を防止する施設。コンクリートや石などで作るのが一般的。

【閘門(こうもん)】
堰の上下流や水位に差がある河川どおしを船が通行できるようにするために水位差を調整するもの。

【左岸・右岸
川を上流から下流をみて左側が左岸、右側が右岸

【桜づつみモデル事業
周辺の自然・社会・歴史的な環境の観点から見て、現在の堤防を強化するとともに桜を植樹して、河川の緑化と良好な水辺空間の形式を図る事業

砂州(さす)】
河川内や河口付近あるいは砂浜海岸などに形成される細長い砂れきの堆積した状態。

【暫定堤防(ざんていていぼう)】
堤防は、対象となる計画流量を安全に流せるように作ることを目標として築造しますが、完成するまでには多くの費用と年月が必要であり、その途中段階の、完成断面より幾らか小さい堤防。

【潮止堰(しおどめぜき)】
河川の下流部で、海水が遡上することによって、塩害などが生じないように設置される堰。

【時間雨量(じかんうりょう)】
雨の量を表す一つの方法で、1時間にいくら降ったかをミリメートル単位で表す。他に日雨量、2日雨量、総雨量などがある。

【蛇(じゃ)かご】
編み目に編んだかごに玉石、砂利を詰めたもの。護岸などに使います。かごの長さは10メートル以下、直径は45~60センチ程度が使われる。

【弱小堤(じゃくしょうてい)】
築堤計画の目標とする形よりも厚みや高さが不足している堤防。

【定規(じょうぎ)断面】
堤防の計画横断面。

【捷水路(しょうすいろ)/ショートカット】
河川が大きく曲がりくねって水の流れにくい部分をまっすぐに付け替え下流に流しやすくするために、付け替えた河川。

【消流雪(しょうりゅうせつ)用水導入事業
豪雪地域において水量の豊富な河川から市街地を流れる中小河川等に雪を溶かすためや流下させるための水(消流雪用水)を供給する事業

【親水(しんすい)】
水に親しむことを表す言葉。

【親水護岸】
水辺に近づきやすくするために工夫された護岸を表す言葉。階段式の護岸など。

【水位(すいい)】
川の水面の高さ。

【水衝(すいしょう)部】
河川の湾曲部などで水の流れが強く当たる箇所。洗掘が生じやすいところ。

【水制(すいせい)】
河岸に当たる水流を弱めるため河岸から川の中央にむかって設置される施設。
=水はね

【水防ヘリポート】
水防時にヘリコプターによる情報連絡や緊急輸送などを行うため、堤防に隣接して設けたヘリコプターの発着場。

【水防拠点(すいぼうきょてん)】
洪水時、効率的な水防活動を行うための前線基地。土砂、ブロック等の水防活動に必要な資機材を備蓄するほか、避難場所としても活用される。又、平常時には人々の憩いの場として利用されるように、地元市町村等と共に整備する。

【水門(すいもん)】
洪水、高潮を防いだり、用水の取水や排水、あるいは舟航のため河川を横断し、又は堤防を切り開いて設けられる構造物。

【水系(すいけい)】
河川の本川と支川のすべてを含めたもの。本川の名前を前に付けて呼ばれる。

【堰(せき)】
河川の平常時や洪水時などにおける分水や灌漑、上水道等河川からの取水又は舟航水深の維持、塩害の防止などを目的として河川を横断して設けられる構造物。このなかで構造上から扉の操作により水位の調節を行うことのできる堰を可動堰、調節できない堰を固定堰と呼んでいます。可動堰の形式は引上げ式と転倒式に分類される。

【背割提(せわりてい)】
2つの河川が合流したり、となりあって流れるために、流れの異なる2河川の合流をなめらかにしたり、一方の川の影響が他の河川に及ばないように2つの川の間に設ける堤防。=瀬割提

【洗掘(せんくつ)】
流水の作用によって河岸や河床が削られる現象。

【戦後最大洪水(戦後最大流量)】
戦後(第二次世界大戦後)における一番大きな洪水(そのときの、流量)。

【潜水橋(せんすいきょう)】
一般に、低水路部分に設置された橋。小さな洪水でも浸水して通行が出来なくなる橋。別称もぐり橋。

【総合治水対策特定河川】
都市化の進展と流域開発に伴う河川の治水安全度の低下が著しい河川や従来から浸水被害が著しい既成市街地が大部分を占める河川の内、流域の持つ保水・遊水機能の確保及び災害の発生の恐れがある地域での土地利用の誘導等の措置と併せて河川改修事業を重点的に実施する総合治水対策特定河川事業を行っている河川。北海道では伏籠川、全国では鶴見川、寝屋川など17河川が指定されている。

【側帯(そくたい)】
堤防の安定を図るため、または非常時の水防用土砂等を備蓄し、あるいは環境を保全するために堤防の提内側の幅を部分的に広くしたところ。

【耐越水(たいえっすい)堤防】
=アーマレービー

【高潮(たかしお)】
一般に気圧低下や、風の吹きよせ等によって海面が異常に上昇する現象。

【高潮提(たかしおてい)】
台風等による高潮の被害を防ぐ堤防。一般的には高潮時の波が堤防を越えても、破損しないようコンクリートなどでおおわれた構造となっている。
=高潮堤防(たかしおていぼう)

【宅地等水防災対策事業(たくちとうみずぼうさいたいさくじぎょう)】
堤防を作ると集落の大半が立ち退かねばならないような狭い地域について、その地域全体を嵩上げして水害を防ぎ、土地を有効に利用する事業

【多自然川づくり】
河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息、生育、繁殖環境及び多様な河川景観を保全、創出するために河川管理を行うこと。

【多目的水防ヘリポート】
洪水時には水防ヘリポートそして利用されるところ。普段は地元に開放されて多目的に利用される。

【築堤(ちくてい)】
堤防を築造すること。

【治水・治水施設(ちすい・ちすいしせつ)】
治水とは、洪水によって起こる災害から河川の周辺にすむ人々や土地を守ること。そのために作るダム・堤防・護岸などの施設を総称して治水施設という。

【超過洪水(ちょうかこうずい)対策】
計画規模を上回る洪水がおきたとき、被害を軽減するために行う対策。 現在ではおもに背後地に人口・資産が高密度に集積した低平地をかかえる大河川において、堤防の破堤による甚大な被害が回避できるようにする高規格堤防を実施している。

【直轄(ちょっかつ)事業
国が管理する一級河川で、国が直接行う事業を総称して、直轄事業と言う。これに対し、地方自治体が国からの補助金によって行う事業を補助事業という。

【低水路(ていすいろ)(低水)】
河道が洪水時のみ水の流れる部分(高水敷)と平常時に流れる部分とを区分して改修されている場所で平常時に水の流れている部分。

【低水護岸(ていすいごがん)】
高水敷を洪水等の水の流れから保護する施設。

【堤防(ていぼう)】
一般的に、河川の流水が河川外に流出することを防止するために、土などで築造した最も重要な河川管理施設。

【堤内(ていない)・堤外(ていがい)】
堤内とは、堤防によって保護されている区域。堤外とは、両岸の堤防にはさまれて平常時や洪水時に河川の流水が流れる区域。

【底流(ていりゅう)】
海や川の底を流れる流れ。

【特殊提(とくしゅてい)】
堤防は、原則として土により築造しますが、土地利用の状況その他の事情により止むを得ない場合に築造される土提以外(コンクリートなど)の堤防のこと。

天井川(てんじょうがわ)】
川底が周辺の土地より高くなっている河川。

【転倒堰(てんとうぜき)】
=堰

【天端(てんば)】
堤防の頂部のこと。浸透水に対して必要な堤防断面を確保するための幅や常時の河川巡視又は洪水時の水防活動等のための幅が必要とされ、計画高水流量に応じて階段的に最低幅が定められる。

【導流提(どうりゅうてい)】
河川の分合流、河口などにおいて、流れの方向、土砂の堆積、河口閉塞などを改善するために設置される堤防。

【床止め(とこどめ)】
高水敷の荒廃や河床の低下を阻止するために河川を横断して設けられる工作物。通常河川工事では床止め、砂防工事では床固めと呼ぶ。床止めにはその上下流に落差を生じさせる者と、生じさせないものがあります。前者を落差工と言い、後者を帯工と言う。
=床固め(とこがため)

【土提(どてい)】
土により築造された堤防。土提には次の特徴がある。
1.材料の取得が容易で、構造物としての劣化現象が起きないこと。
2.連続した長大構造物で不等沈下がおきやすいが、その修復が容易であること。
3.基礎地盤と一体としてなじむこと。
4.将来の拡築等が容易で経済的であること。

【内水排除(ないすいはいじょ)】
洪水により河川の水位が上昇すると提内地の自然排水が困難となり浸水被害が生じますが、この提内に停滞した雨水を排除すること。
=内水

【内水被害(ないすいひがい)】
本川の水位が高いため堤内地の水が排水できなくて浸水した水害。

【中州(なかす)】
河川の中で土砂などが堆積してできた陸地。

流れ橋(ながればし)】
洪水のよく起こる地域での生活の知恵で、両端を固定しないで、流れるようにした橋。洪水の時ははずし橋の本体を守る。橋にはロープ等がつけてあり、流れてどこかにいってしまうことはない。

二級河川(にきゅうかせん)】
一級河川の水系以外の水系で、公共の利害に重要な関係があるものに係る河川で、都道府県知事が指定したもの。

【二線堤(にせんてい)】
本川堤防の背後に位置し、破堤等による洪水氾濫の拡大を防止する各種堤防。

【根(ね)入れ】
堤防の根元が掘られないように護岸の基礎を河床の下まで入れること。

【根固(ねがた)め】
護岸の先端が流れて洗掘されないよう護岸の根元を押さえる構造物でコンクリートブロック等で作られる。

【根継(ねつ)ぎ】
川底の低下等により護岸の根入れが不足する場合に、護岸の深さを継ぎ足すこと。

【年超過確率 (ねんちょうかかくりつ)】
洪水時の発生確率の表現方法の一つで、年超過確率1/100の規模の洪水とは、毎年1年間にその規模を超える洪水が発生する確率が1/100(1%)である。

【背水(はいすい)・背水区間】
主に本川と支川との関係で、洪水時、本川の水位が高いと支川の水が流れづらい状態となり、水位が上昇する。この現象を背水と言い、その影響を受ける区間を背水区間と言う。

【排水(はいすい)ポンプ場(排水機場(はいすいきじょう))】
内水を機械的に排除するために設けられた施設。

【橋(はし)】
人や物が、谷、川、海、窪地や道路、線路などの交通路上の交差物を乗り越えるための構造物(道路、窪地、線路などを跨ぐ橋は陸橋と呼ばれる)。
=橋梁(きょうりょう)

【艀(はしけ)】
河川や運河などの内陸水路や港湾内で重い貨物を積んで航行するために作られている平底の船舶。艀の多くはエンジンを積んでいないため自力で航行することはできず、タグボート(トウボート)により牽引あるいは推進されながら航行する。
=バージ

【破堤(はてい)】
洪水などの作用によって堤防が破壊されること。

【引提(ひきてい)】
川幅が狭い場合にこれを広げるために、堤防を提内地の方に移動させてつくりかえること。

曳舟道】
河川、運河などの内陸水路の岸に沿って走る道や路。

【樋門(ひもん)】
背水や取水をするために、堤防内を横断して設ける構造物。通常はその規模が大きいと樋門、小さければ樋管と呼ぶ。
=樋管(ひかん)

【伏せ越し(ふせごし)】
用水路又は排水路が河川と交差する場合において、河床の下を横断するもの。
=逆サイホン

【ふるさとの川整備事業
市町村のシンボル的な川において周辺のまちづくりと一体となった河川改修を行い、そのまちの「ふるさとの川」としてふさわしい良好な河川空間をつくる事業

【ヘドロ】
河川や沼、池や湖、海などの底に沈殿した有機物などを多く含む泥。底質と呼ばれる。河川のヘドロは河川底質(かせんていしつ)とも呼ばれる。ヘドロは屁泥とも書かれることがあるが、語源は定かではない。

【防災ステーション】
洪水時に水防活動の基地、ヘリポート、避難場所としての機能をもつもので、平常時はレクリエーションの場などとして活用できる河川防災の拠点のこと。

【放水路(ほうすいろ)】
河川の途中から新たな河道を開削して海又は湖、あるいは他の河川などに放流する水路。=分水路(ぶんすいろ)

【水はね】
=水制

【水屋(みずや)】
土盛りをした上に築かれた洪水時の避難用家屋。洪水があった場合、水が引くまで数日間、避難生活ができるように、米、みそ等の生活必需品が貯蔵されていた。

【遊水地(ゆうすいち)】
洪水時に流水の一部を平地部の河道の近傍に一時貯留して、下流へ流れる流量を減ずるため、天然あるいは人工で造られた地域。河道の調節地。

【利水(りすい)】
川の水を生活用水や農業用水、工業用水、発電などに利用すること。

【流域(りゅういき)】
河川に降水が集まる区域(集水区域)。その区域内の面積を流域面積(集水面積)と呼ぶ。

【流域総合治水対策】
市街地の拡大、開発が急速に進んでいる都市部では、開発によって降雨を流域に浸透、貯留する能力が失われ、河川への負担が大きくなります。このような状況を改善するため、河道計画、都市計画、下水道計画が一体となって、大きな雨を安全に流すように調整された総合的な治水対策。

【流下断面(りゅうかだんめん)】
水を流すのに有効な河川の横断面。平面的にみて急激に河道が広がって水が滞留するところはこれに含まれない。(=死水域)

【流下能力(りゅうかのうりょく)】
川のある区間が洪水を安全に流下させ得る能力。

【流水保全水路(りゅうすいほぜんすいろ)】
支川からの汚れた水や下水処理後の排水などで汚れた水と上流域からの比較的汚染されていないと考えられる水とを区別して利用することを目的として、現在の低水路とは別に河道内に新たな低水路を設け、水利用の合理化を図ることを目的として設置される新水路のこと。これらを整備する事業を流水保全水路整備事業という。

【流量(りゅうりょう)】
河川又は水路のある横断面を単位時間に通過する流水の量。

【漏水(ろうすい)】
洪水、高潮時等に河川の水位が上昇することにより、河川水が堤防の盛土斜面および堤防付近の地盤から湧出する現象。

【輪中提(わじゅうてい)】
ある特定の区域を洪水から防御するためにその土地の周囲を囲って築造される堤防。

【ワンド】
河川内にある入江状の水域で本流とつながっているもの。ワンドの大きさはさまざまで、形状、深さ、底質も変化に富んでおり、多様な魚介類や植生等の生息空間になっている。